TRAVEL

5/8 イスラエル・パレスチナ

ティベリアを出発、エルサレムのバスステーションビルで乗り換え。死海地方のエンボケックへ。

毎回どこへ行くにもバスには兵隊のグループが同乗している。警護されてるのか、逆にテロに狙われるのかよくわからん。

人殺しの道具を腰に下げる若者たちは、武士道みたいな生死観を考えたりするのでしょうか。

小説や誰かの模範解答ではわからない事がある。羊飼いが連れていた羊の群れはフワフワの真っ白で無く、黄砂の風を受けてたくましい荒野色だった。

朝から移動している。ユダヤ教の安息日なので午後三時には交通機関も商店も完全休み。終バスまで一本余裕があったので、マサダ要塞のふもとで散歩。

死海。湖面はエメラルドグリーン、浜辺は大量に塩を含んでいて白い。

波は無く、水はヌメッとしていて暖かかった。荷物を置いて、とりあえずひと泳ぎ。夕陽で山が赤くなる。

ホテル周辺はスーパーと食堂があるだけで街は無い。ホテルにはユダヤ教のシナゴーグがあった。

滞在日はひたすら泳ぐ。他にする事が無いので、朝6時から1時間泳いで2時間休んでを夜までくり返した。あまり人がいないと、波もなく水鏡状態。

体が沈まないのと、水中生物の恐怖が無いのでまったく不安は無い(私は海のクラゲだのコンブだのが恐い)。自分の掻いた水しぶきが顔にかからない様にだけ注意する。

日帰りの人達がたくさんいるビーチは、バーベキューしてる人とか、浮かれてていい感じだった。泥パックでがんばってる人を誉めて回る。カメラでコミニュケーション。

肺の辺りと両足のふくらはぎを浮かせて、腰を曲げているのが楽なフォーム。垂直立ちで空中歩行の格好も楽。釣り竿の浮きみたいにプカプカ。寝るように浮くと、起き上がった後で、濡れた後頭部の塩が乾いて痛くなる。

夕暮れ。程よい水のぬるさに体の感覚が消えた。おかしな色の水と空。仰向けに寝たまま流される『死体ごっこ』をしていたら、ある瞬間急に現実感を失った。その説明をどう言葉でしていいやら。

人間が心で、体が入れ物だとして、入れ物の触覚が消失。とても無になって感動していました。

スタンドでケバブを買って食べた。味は黒コゲ味。

翌日。すぐに荷物をまとめ、移動するつもりだったが、バスが午前9時出発だったので、早起きした分泳いだ。水のもこもこした抵抗も水温も快適であった。

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