帰る日早朝、2年前に見たあの朝日、明けてゆく空に消える月を見に、浜へ行こうかと思ったがテンション上がらず。

帰りまでにまた一騒動起きる胸騒ぎがしていた。

内線が鳴った。営業部長の部屋で、財布からおカネが消えたという。キタこれ、事件です。

要約すると「ベランダの窓を開けっ放しで他の社員の部屋で酒を飲んでたら、ベッドの上に出しっぱなしだった財布からおカネが無くなった」と。飲み続けの社員ども油断しすぎ。ここは海外だぞ。

ホテル側は、従業員に疑いは無く外から空き巣が入ったという。

保険を適応する為にも、警察へ連絡して現場検証しなければならない。だが部長、既に出かけた後で携帯から私へ電話してきた。
「今日帰国でしょ。俺、買物したくてショッピングモールに行くから警察の対応しといてくれよ~」

なんという無責任。どこに財布を置いて、いつ気がついたのか、盗まれた状況を知っているのあんただけだよボケ部長!とりあえず、電話を片手に次々と伝言ゲームをこなす。

次々と電話。盗まれた部長、社員の旅行係り、取締役に報告、旅行会社添乗員、ホテル支配人と従業員、地元警察。

「警察を呼ぶと、いろいろ出発時刻までに終わらなそう」と添乗員。数時間ゴタゴタ電話かけまくって、結論現場検証は無し。日本へ帰ります。

たくさんの人を巻き込んでおきながら、遊びに出てしまった被害者ことバカ野郎には泣き寝入ってもらいたい。

後日、ホテルから被害者へ、見舞金という名目で、ちょっとだけおカネが振り込まれた。

大口リピート客を逃したくない日光ホテル側のアピールだろう。